パオ・チョニン・ドルジ監督作品『ブータン 山の教室』を観る

久しぶりに映画を観た。この一年、どうしても意欲が湧かず観たいなぁと思っても映画はスルーしてきた。美術館は動けるので昨年から少しずつ観るようになっていたのだが、固定される映画は行く気にならなかった。でもこの作品の情報が入ってくると、いてもたってもいられず仕事帰りの午後、神保町の

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に向かう。コロナ禍にあっても、やはり欲する人はいるようで、そこそこ混んでいた。
ダメ教師のウゲンはヒマラヤの麓の僻地ルナナに季節限定の教師として派遣される。鉄道も自動車道も無い、徒歩で行かなければならない土地だ。幕営し苦労の末、やっと村に着くと、村中をあげての大歓迎だ。しかし、学校の実情を見て、ウゲンは自分には出来ないと村長たちに伝える。みんなガッカリするのは当然だが、村長はなんと嫌なモノはしょうが無いと受け入れる。驚いた。仏教の教えに忠実なのであろう。
しかし、そんなダメ教師を変えるのはやはりいつも子供たちだ。輝く目。ノートも無いのに一生懸命聞き漏らす無いとする姿勢。学ぶ意欲に満ち満ちている。地元の子供たちに出てもらっているとのことだが、彼らはなんと皮肉なことに映画を観たことが無いのだ。なぜなら電気が無いから。素晴らしい演技を見せる子供たち。ただこれらは演じているのは無く、本当に学びたいと思っているそんな姿勢を撮っているのだろう。本当に幸せな2時間弱だった。

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